歌を唄う猫の夢
定期更新ネットゲーム『Sicx Lives』の、 日記・雑記・メモ等が保管されていくのかもしれません。 昔は『False Island』のことを書いてました。
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階段から降りてきたはずなのに、天井に輝くは麗らかな春の陽光に、薄くたなびく白い雲。
背の低い草花に覆われたなだらかな丘を抜け、細やかな砂礫に覆われた荒原を往き。
両脇を囲む不吉な色の河にジェイが眉を顰めた頃、その声が聞こえてきた。
「わわわわわあぁあぁぁぁっさにいぃぃぃにぃぃぃさぁぁぁぁんッ!!」
「……なんだよもう、うるさいなぁ。サニーって普通に呼んでよ」
背の低い草花に覆われたなだらかな丘を抜け、細やかな砂礫に覆われた荒原を往き。
両脇を囲む不吉な色の河にジェイが眉を顰めた頃、その声が聞こえてきた。
「わわわわわあぁあぁぁぁっさにいぃぃぃにぃぃぃさぁぁぁぁんッ!!」
「……なんだよもう、うるさいなぁ。サニーって普通に呼んでよ」
見上げれば砂丘の向こうに、ふわりと浮かぶ2体の影が覗く。
どちらも黒いとんがり帽子を被り、体躯よりも厳ついマントを羽織っている。
「さ、さにー! て、てきっ! 敵が来てますよほらそこぉっ!!」
舌足らずな言葉遣い。まだ精神的に未成熟な年頃なのか。
翅を一瞬強く羽ばたかせたカリアが、背負う剣の柄に手を掛ける。
「メルト達は、敵です?」
「すでに認定されているようだな」
ジェイが軽く溜め息をつく。言葉が通じるなら、まずは話し合えばいいのだ。
話し合った上で通じそうにないなら、殴って言うことを聞かせればいい。
「いや、その考え方もどうかと思うのだが」
「分かりやすくていいだろ?」
ニヤリと笑みを返し、召喚術の媒体となる魔剣を抜く。
メルトもまた、天に掌をかざして霊弓を形成する。どちらが先に仕掛けるにしろ、黙って先手を許す必要はない。
「うーん…めんどくさいなぁ。でも、まぁ……師匠探しには邪魔か」
サニーと呼ばれた側、透き通る水色の長髪を三つ編みにする女の子が、小脇に抱えていた重そうな本をパサリと開いた。
「……――― ほねほねろけんろー……はいっ!」
不意に乾いた大地が爆発し、巻き上げられた砂塵が視界を覆う。
「召喚!? って、ちょ、なんかやっべぇ気配してんぞ!」
同様の召喚士であるジェイが、術式の性質を看破して鋭く呟いた。
「髑髏……!? それも、でかい!」
漂う砂粒が消えゆく先、人の数倍の容積を備えた巨大な骸骨がそびえていた。
抜け切らず振り乱された髪、ガチガチと打ち鳴らされる顎、こすれて軋む歪な関節――。
「これで大丈夫…かなぁ」
のんびりとした口調で本を畳むサニー。
「ほら、僕らは先に行くよおチビちゃん」
「お、お、おっ、ちん、ちびちゃんじゃありませんッ!!!」
「…はいはい、行くよぉー」
銀瞳のサニーが傍らの幼女に冷めた声をかけた。
小さな魔法使いはむくれて突っかかっていくが、サニーは気にせずふわふわと飛んでいく。
だが、一行はそんな2人を黙って見送るしかない。
カリアが呆れたように、珍しくも軽口を叩いた。
「冗談みたいな展開だな。メルト、何とかしろ」
「どうしろっていうですか」
「愛を伝えたら、天国に導けたりしないか?」
「怨念に愛のABCを叩き込んだら取り憑かれちゃうですが、いいです?」
「具体的には、どうなる」
「巨大ストーカーの誕生です」
目をきらきらさせているメルトに対し、額に手を添えて困った姿をパフォーマンスするカリア。
やれやれと肩をすくめながら、ジェイが会話の後を引き取った。
「犯罪者を生み出すわけにもいかねーよな。
勝てるかどうかちっと自信ねぇけど、抵抗するだけ、してみるとしようかね」
どちらも黒いとんがり帽子を被り、体躯よりも厳ついマントを羽織っている。
「さ、さにー! て、てきっ! 敵が来てますよほらそこぉっ!!」
舌足らずな言葉遣い。まだ精神的に未成熟な年頃なのか。
翅を一瞬強く羽ばたかせたカリアが、背負う剣の柄に手を掛ける。
「メルト達は、敵です?」
「すでに認定されているようだな」
ジェイが軽く溜め息をつく。言葉が通じるなら、まずは話し合えばいいのだ。
話し合った上で通じそうにないなら、殴って言うことを聞かせればいい。
「いや、その考え方もどうかと思うのだが」
「分かりやすくていいだろ?」
ニヤリと笑みを返し、召喚術の媒体となる魔剣を抜く。
メルトもまた、天に掌をかざして霊弓を形成する。どちらが先に仕掛けるにしろ、黙って先手を許す必要はない。
「うーん…めんどくさいなぁ。でも、まぁ……師匠探しには邪魔か」
サニーと呼ばれた側、透き通る水色の長髪を三つ編みにする女の子が、小脇に抱えていた重そうな本をパサリと開いた。
「……――― ほねほねろけんろー……はいっ!」
不意に乾いた大地が爆発し、巻き上げられた砂塵が視界を覆う。
「召喚!? って、ちょ、なんかやっべぇ気配してんぞ!」
同様の召喚士であるジェイが、術式の性質を看破して鋭く呟いた。
「髑髏……!? それも、でかい!」
漂う砂粒が消えゆく先、人の数倍の容積を備えた巨大な骸骨がそびえていた。
抜け切らず振り乱された髪、ガチガチと打ち鳴らされる顎、こすれて軋む歪な関節――。
「これで大丈夫…かなぁ」
のんびりとした口調で本を畳むサニー。
「ほら、僕らは先に行くよおチビちゃん」
「お、お、おっ、ちん、ちびちゃんじゃありませんッ!!!」
「…はいはい、行くよぉー」
銀瞳のサニーが傍らの幼女に冷めた声をかけた。
小さな魔法使いはむくれて突っかかっていくが、サニーは気にせずふわふわと飛んでいく。
だが、一行はそんな2人を黙って見送るしかない。
カリアが呆れたように、珍しくも軽口を叩いた。
「冗談みたいな展開だな。メルト、何とかしろ」
「どうしろっていうですか」
「愛を伝えたら、天国に導けたりしないか?」
「怨念に愛のABCを叩き込んだら取り憑かれちゃうですが、いいです?」
「具体的には、どうなる」
「巨大ストーカーの誕生です」
目をきらきらさせているメルトに対し、額に手を添えて困った姿をパフォーマンスするカリア。
やれやれと肩をすくめながら、ジェイが会話の後を引き取った。
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