歌を唄う猫の夢
定期更新ネットゲーム『Sicx Lives』の、 日記・雑記・メモ等が保管されていくのかもしれません。 昔は『False Island』のことを書いてました。
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サニーが展開する防護の魔法陣が、光矢によって貫かれ、破砕する。
第二射を構えるメルトの視線には怒りも憎しみもなく、驚くほど澄み切っていた。
「…なんだよもう、ほんと邪魔だなぁ。……ぁっ」
第二射を構えるメルトの視線には怒りも憎しみもなく、驚くほど澄み切っていた。
「…なんだよもう、ほんと邪魔だなぁ。……ぁっ」
上空に距離をとったサニーが、まくれかけた裾を抑えて女の子のような声をあげた。
眼下では、人形達がジェイの喚んだバハムートの炎息に炙られている。
動きが鈍ったところへ、カリアが針のように尖らせたナイフを投擲する。
ナイフは的確に急所を貫き、一体、また一体と膝を落として動作不能へ陥れていった。
「……ったくもう」
我が身の不甲斐なさ。あるいは、想像以上の難敵であったことに面倒くさくなったのか、サニーはぷいと興味をそらした。
見つめるは、遠く。砂漠を越えた先に観える、第四層から遥か上空へ貫く巨大樹の方向。
「……とりあえず核は動いているようだね。
あとは……あれが無事かどうか…か。…正常…ではなさそうだ。」
瞼を閉じて、気配を探る。
地表で指揮を執るジェイはその動きに気づいたが、妨害する理由は思いつかなかった。
サニーはそっと瞳をひらき、
「……まぁ、あっちか。…もうすぐだね。」
氷上を滑るかのごときなめらかさで、空を駆ける。
すでに戦闘行為に興味はなく。足止めさえ出来ていれば、それで十分とばかりに。
先へ、進む。
人形達との戦闘が完全に決着したのは、その数分後であった。
三体の造られしものは、ジジッとノイズ音を軋らせたのち、空間に輪郭を融かしてかき消えた。
「遺跡の守護者へのなりそこね…と、いったか?」
使った投げナイフを回収し、鎧の隠しへ納めながらカリアが呟いた。
「守護者が別にいるという意味に取れるよなぁ。
遺跡とやらは、先の島で魔力暴走を引き起こしたアレかね?」
召喚獣の群れを指先鳴らして送還し、ジェイはサニーの去った方向を見る。
河にかかっていた濃い水煙が、戦闘の余波で薄らいでいた。
対岸の先に覗くのは、巨大な樹木。
「よくわかんないです。あの樹が、遺跡です?」
「どうかな。先史文明的な遺跡なら、オーバーテクノロジーより樹や岩に求める方が適切だけどな」
ふよふよと飛びながら首を傾げたメルトに、ジェイは続けた。
「お前がピンとこないなら、アレより先に何かあるんだろ」
「いま、感動しました。メルトを信じてくれているですか!」
「嘘つきのくせに隠し事ができないと理解する程度にはな?」
ひどいです…といじける駄天使を放置して、妖精騎士へ視点を変える。
カリアは巨大樹を、憂いに似た感情を込めて見つめている。
元来、妖精とは自然に寄り添って生きる種族だ。
島に巣食う荒れはてた生態系の中に、懐かしき故郷でも見つけた気分なのかもしれない。
「だが――」
カリアは首をふって想いを引き剥がす。
「先へ、このまま進むのはよくない気がする。
一度、遺跡へ帰還すべきだ。注文しておいた装備を回収してからにしよう」
「同感だな。罠とはまでは思わないが、別にあの魔法使いと速度を競っているわけでもない」
肩をすくめて相槌を打つジェイ。
そんな二人から少し離れた位置で、メルトは、どこか冷めた表情で巨大樹を見つめていた。
「すべて、愛してしまえばいいのに。……です」
眼下では、人形達がジェイの喚んだバハムートの炎息に炙られている。
動きが鈍ったところへ、カリアが針のように尖らせたナイフを投擲する。
ナイフは的確に急所を貫き、一体、また一体と膝を落として動作不能へ陥れていった。
「……ったくもう」
我が身の不甲斐なさ。あるいは、想像以上の難敵であったことに面倒くさくなったのか、サニーはぷいと興味をそらした。
見つめるは、遠く。砂漠を越えた先に観える、第四層から遥か上空へ貫く巨大樹の方向。
「……とりあえず核は動いているようだね。
あとは……あれが無事かどうか…か。…正常…ではなさそうだ。」
瞼を閉じて、気配を探る。
地表で指揮を執るジェイはその動きに気づいたが、妨害する理由は思いつかなかった。
サニーはそっと瞳をひらき、
「……まぁ、あっちか。…もうすぐだね。」
氷上を滑るかのごときなめらかさで、空を駆ける。
すでに戦闘行為に興味はなく。足止めさえ出来ていれば、それで十分とばかりに。
先へ、進む。
人形達との戦闘が完全に決着したのは、その数分後であった。
三体の造られしものは、ジジッとノイズ音を軋らせたのち、空間に輪郭を融かしてかき消えた。
「遺跡の守護者へのなりそこね…と、いったか?」
使った投げナイフを回収し、鎧の隠しへ納めながらカリアが呟いた。
「守護者が別にいるという意味に取れるよなぁ。
遺跡とやらは、先の島で魔力暴走を引き起こしたアレかね?」
召喚獣の群れを指先鳴らして送還し、ジェイはサニーの去った方向を見る。
河にかかっていた濃い水煙が、戦闘の余波で薄らいでいた。
対岸の先に覗くのは、巨大な樹木。
「よくわかんないです。あの樹が、遺跡です?」
「どうかな。先史文明的な遺跡なら、オーバーテクノロジーより樹や岩に求める方が適切だけどな」
ふよふよと飛びながら首を傾げたメルトに、ジェイは続けた。
「お前がピンとこないなら、アレより先に何かあるんだろ」
「いま、感動しました。メルトを信じてくれているですか!」
「嘘つきのくせに隠し事ができないと理解する程度にはな?」
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カリアは巨大樹を、憂いに似た感情を込めて見つめている。
元来、妖精とは自然に寄り添って生きる種族だ。
島に巣食う荒れはてた生態系の中に、懐かしき故郷でも見つけた気分なのかもしれない。
「だが――」
カリアは首をふって想いを引き剥がす。
「先へ、このまま進むのはよくない気がする。
一度、遺跡へ帰還すべきだ。注文しておいた装備を回収してからにしよう」
「同感だな。罠とはまでは思わないが、別にあの魔法使いと速度を競っているわけでもない」
肩をすくめて相槌を打つジェイ。
そんな二人から少し離れた位置で、メルトは、どこか冷めた表情で巨大樹を見つめていた。
「すべて、愛してしまえばいいのに。……です」
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