2010/10/17 (Sun) 偽島46日目＠日記

「ベストな選択をしよう」

　ジェイが言いなおしたです。
　顔を真っ赤にしてたです。前日日記なのです。
　さっき口にした単語が間違っていたことに、ようやく気付いたみたいなのです。
　あとで町中の噂話にして広めてあげるです。メルトは天使なのです。


　…あれ？


　目の前が突然真っ暗になったと思ったら、風景がまったく変わってしまっていたです。
　最近、よくあるです。いつも通り、後頭部がズキズキ痛むです。どこかでぶつけたです？

　ここ、どこですか？

「B1F。サンドラと戦った先にあった森にゃ」

　地図を片手にコンパスで方角を確かめながら答えたのは、カリアでした。
　サンドラです？ …あー、あの精霊ですか。緑の髪の。

「やっと気付いたか。寝すぎだぞ、流石に」

　ジェイが心配そうに声をかけてきたです。珍しいこともあるものです。
　ところで、その後ろ手に何か隠さなかったです？ ハンマーみたいな何かを。

「気のせいだ」

　気のせいですかー。
　しかし、メルトは寝た覚えがないです。おかしいです。確か、螺旋階段を登って――。

「気にするな」

　え？ でも、もし病気だったとしたら困るです。原因の究明は必須です。
　ええと、危険な気配があって、それで、ジェイが何かをいったですよ。
　あ、思い出してきたです。確か、


　…あれ？


　目の前が突然真っ暗になったと思ったら、風景がまったく変わってしまっていたです。
　最近、よくあるです。いつも通り、後頭部がズキズキ痛むです。どこかでぶつけたです？

　ここ、どこですか？

「B1F。サンドラと戦った先にあった森を抜けたところにゃ」

　眼下に広がるのは、白い石材で組まれた大きな階段。
　気配を慎重にうかがいながら答えてくれたのは、カリアでした。

「やっと気付いたか。寝すぎだぞ、流石に」

　ジェイが気味の悪いほど爽やかな笑顔で話しかけてきたです。…なにかあったです？
　ところで、その後ろ手に何か隠さなかったです？ 赤い液体のついたハンマーみたいな何か。

「さぁ、降りるぞ」

　あっ、待つです！ メルトを置いていっちゃダメですよー！