歌を唄う猫の夢
定期更新ネットゲーム『Sicx Lives』の、 日記・雑記・メモ等が保管されていくのかもしれません。 昔は『False Island』のことを書いてました。
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懸ける想いは奇跡。HOPEの名に集う仲間たちの未来。
剣を握るこの手には、幸せを掬い取る力もなく。指の隙間から零れ落ちる絶望に立ちすくむ。
かつての盟友クリフォードも、その妹マリアベルも黒き闇に堕ちた。
腐る肉体に狂気の魂を宿らせ、呪われた現在を縛る鎖の破壊を夢に見る。
消させはしないと、願う。
黒きマナに朽ち果てても、希望の蜘蛛糸は未だ消えてはいないのだから。
「どうか未来へと進んでいてくれ、仲間たちよ……」
剣を握るこの手には、幸せを掬い取る力もなく。指の隙間から零れ落ちる絶望に立ちすくむ。
かつての盟友クリフォードも、その妹マリアベルも黒き闇に堕ちた。
腐る肉体に狂気の魂を宿らせ、呪われた現在を縛る鎖の破壊を夢に見る。
消させはしないと、願う。
黒きマナに朽ち果てても、希望の蜘蛛糸は未だ消えてはいないのだから。
「どうか未来へと進んでいてくれ、仲間たちよ……」
掠めた側刃に、血漿が飛び散る。
「理想郷に、目の前の財宝に、心を奪われず、最も深い意志のもとで……」
燐光を撒き散らす光矢が、肩をえぐる。
「過去を…、そして未来を…ッ!!」
巨大な魔竜の吐息が、躰を赤く燃え焦がす。
「どうか――…」
打ち砕かれた意志。漲る力は急速に去りゆき、筋力は失われる。
膝が落ち、支える腕すら力なく。
前のめりに地に伏した男の名は、ラザレスという。
希望の名を抱く教団において、教祖とも呼ばれていた存在。
だが、その過去を目前の彼らは知らない。知ることに意味もない。
脆く崩される程度の希望ならば、其処までの願いであると吐き捨てて。
「………」
男を眼下におさめ、カリアは剣を収めた。
互いに退けぬ理由が在るならば、強き者が押して通るが運命。
恐らくは彼も必死だったのだろう。だが、想いは貫けなくば露と消える。
敗者にかける言葉はなく、踵を返した。
メルトは彼の傍らに足を寄せる。
屈み、そっと手を触れた。
水が下流に流れるように、金色の輝きが流れて気絶するラザレスの肉体を包む。
輝きはやがて、白い球体を浮かび上がらせた。
「――加護があらんことを」
球体は、ふらふらと頼りなく空を滑り、蒼い茂みに吸い込まれていく。
祝福であるかのごとく、森が一瞬ぼんやりと光を帯びた。
ジェイは細めた視線で、その行為を見つめる。
白い球体は魂ではない。ラザレスは気絶状態であるが、まだ死んではいないのだから。
感覚で理解する。あれは何者かの"感情"だ。
三次元で具象化する存在ではない。天使は、それを理解して送りだしたのだろうか?
意識を切り替える。
「過去を変えるといったな」
忌むべき過去を消し去り、未来を創りなおせる……だと?
「たかが人間の身で、出来るわけがない」
その言葉に、メルトがかすかに頷いた。言葉はない。
高位次元に属する天使は識っているのだ。時間とは、如何様な存在であるのかを。
「そうかな?」
カリアが反駁した。妖精の位置からすれば、視える世界は違う。
「人で在ればこそ、使える力もある。お前たちがそれを知らないはずがない」
牙を剥くように、突きつける。
銀兜を脱ぎ捨て、拘束のない瞳から放たれた視線は揺るぎない強さを秘めて。
「私はそれを手に入れる。邪魔をするか?」
ジェイは眼光を真っ向から受け止める。が、刹那の無言を置いて肩の力を抜いた。
「しねぇよ。むしろ協力してやるさ」
神に唾を吐きかけるのは得意なんだと、嘯いて。
そんなやり取りを聞く背中がある。
彼女は身動きひとつすることなく、虚ろな瞳にかすかな赤を魅せていた。
無機質の気配。聴覚で得た事象を検索し、構築し、再設定する。
神力の集積である弓矢が、一瞬だけ禍々しい鉛の色に瞬いた。
振り返り。
「この人、なんかすごいもの持ってたですよー!」
神の自動人形――メルトは、にこやかな笑顔を浮かべて、窃盗を宣言した。
「理想郷に、目の前の財宝に、心を奪われず、最も深い意志のもとで……」
燐光を撒き散らす光矢が、肩をえぐる。
「過去を…、そして未来を…ッ!!」
巨大な魔竜の吐息が、躰を赤く燃え焦がす。
「どうか――…」
打ち砕かれた意志。漲る力は急速に去りゆき、筋力は失われる。
膝が落ち、支える腕すら力なく。
前のめりに地に伏した男の名は、ラザレスという。
希望の名を抱く教団において、教祖とも呼ばれていた存在。
だが、その過去を目前の彼らは知らない。知ることに意味もない。
脆く崩される程度の希望ならば、其処までの願いであると吐き捨てて。
「………」
男を眼下におさめ、カリアは剣を収めた。
互いに退けぬ理由が在るならば、強き者が押して通るが運命。
恐らくは彼も必死だったのだろう。だが、想いは貫けなくば露と消える。
敗者にかける言葉はなく、踵を返した。
メルトは彼の傍らに足を寄せる。
屈み、そっと手を触れた。
水が下流に流れるように、金色の輝きが流れて気絶するラザレスの肉体を包む。
輝きはやがて、白い球体を浮かび上がらせた。
「――加護があらんことを」
球体は、ふらふらと頼りなく空を滑り、蒼い茂みに吸い込まれていく。
祝福であるかのごとく、森が一瞬ぼんやりと光を帯びた。
ジェイは細めた視線で、その行為を見つめる。
白い球体は魂ではない。ラザレスは気絶状態であるが、まだ死んではいないのだから。
感覚で理解する。あれは何者かの"感情"だ。
三次元で具象化する存在ではない。天使は、それを理解して送りだしたのだろうか?
意識を切り替える。
「過去を変えるといったな」
忌むべき過去を消し去り、未来を創りなおせる……だと?
「たかが人間の身で、出来るわけがない」
その言葉に、メルトがかすかに頷いた。言葉はない。
高位次元に属する天使は識っているのだ。時間とは、如何様な存在であるのかを。
「そうかな?」
カリアが反駁した。妖精の位置からすれば、視える世界は違う。
「人で在ればこそ、使える力もある。お前たちがそれを知らないはずがない」
牙を剥くように、突きつける。
銀兜を脱ぎ捨て、拘束のない瞳から放たれた視線は揺るぎない強さを秘めて。
「私はそれを手に入れる。邪魔をするか?」
ジェイは眼光を真っ向から受け止める。が、刹那の無言を置いて肩の力を抜いた。
「しねぇよ。むしろ協力してやるさ」
神に唾を吐きかけるのは得意なんだと、嘯いて。
そんなやり取りを聞く背中がある。
彼女は身動きひとつすることなく、虚ろな瞳にかすかな赤を魅せていた。
無機質の気配。聴覚で得た事象を検索し、構築し、再設定する。
神力の集積である弓矢が、一瞬だけ禍々しい鉛の色に瞬いた。
振り返り。
「この人、なんかすごいもの持ってたですよー!」
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