2007/06/25 (Mon) 探索6日目-日記

この世界は、時間が流れるの、遅い。
つい、うとうとしてしまう。

忙しくないのは、好き。
ぼーっとできるのが、好き。

幸せな瞬間は、いつだって好き。

 

 

大好き。

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寝ぼけ眼をこすってみれば、でっかい看板が揺れていた。

違う。揺れてたのは、リズの頭。
最近お気に入りのベッド。

黄金色の草むらを掻き分けて、ぐぐっと文字を覗き見る

【闘技大会参加者募集中】

頭のいいラズが、読んで意味を教えてくれた。
要するに、腕試しを兼ねた娯楽遊戯の募集らしい。

面白そうだったので、端からぴょんと飛び降りる。
２人を待たせて、受付ってトコに駆け出した。

すでに参加受付を済ませてた、マリィがいろいろ説明してくれた。

 

 

…なに？　３人じゃないと参加できないって。
ひどくない？

 

 

うっかりえーじぇんとがえらそうにしてたので、足を蹴っ飛ばして逃げた。

 

後ろを窺いながら人ごみを走っていたら、ドン、と頭をぶつけて。

見上げた先に、驚き顔で立ち止まっている犬神がいた。
更に、よろめいて尻餅ついたトコを、すくうように持ち上げられた。
振り返ってみれば、すごいアップの至近距離で、天使が笑ってた。

――影に正体が透けて視える。
どちらも、チウイテクウッシュウ （神の使い）だ。

そんな出会い頭の運命が、闘技場の参加メンバーを決定する。
世の中ってわからない。

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魔法陣へ辿り付くと、ふいに懐かしい風が吹いた。

――お久しぶりだな、姐さん！

ぼんやりと、空気を歪めて輝く青白い霊魂。
記憶が過去に引き戻される。

雪化粧に覆われた大地、併走する動物達、湖水にきらめく冬の日差し。
そして、いつも傍らにいた、アイツ。

 

 

「……誰だっけ？」

 

 

ごめん。名前なんだっけ。