歌を唄う猫の夢
定期更新ネットゲーム『Sicx Lives』の、 日記・雑記・メモ等が保管されていくのかもしれません。 昔は『False Island』のことを書いてました。
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コタンコロカムイ――。
縞梟の異名授かる神種に迷い込んだ、一羽の雛。
霊鳥に在らずして、村の守護神たる誇りを身に宿す。
されど、木菟は梟神にあらず。
民草の尊崇を受けるも、扉を超え転じる先に御座は無く。
狭間に惑いて、神格と魔性混じりたる精霊と成れかし。
-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-
「つまり、死んでからバケモノ(妖)になったってこと」
…とは、ラズの言葉。
ショックを受けて凍りつき、よたよた千鳥足でいじける一羽の霊。
アルワン――。
それが、ミミズクの名。
正確には、元ミミズクの幽霊の真名。
躯を取り巻く青白い色。半透明。きれい。
暗闇でも光る。便利。
でも、光を目指して敵がやってくる。使えない。
(ハハ。相変わらず容赦ねぇなァ、姐さんは!)
七の月、七の日、七の歳に出逢った、落し物。
大陸から飛来した、見慣れない姿の梟種が残した遺児。
村のコタンコロカムイが、仮親の任を担った。
軽やかな風に山吹の向日葵揺れる、短い夏
山岳を覆い尽くす落葉樹が、一斉に色を灯す秋
樹氷立ち並ぶ大河に、ふわり気嵐煙る長い冬
――そして、春。
駆け巡る季節を共に過ごし、共に生きた。
幼なじみという言葉だけでは括れない、深い絆があった。
(…てゆーかよ、子分扱い? 鳥権無視、みたいな?)
いつも一緒にいるのが普通で。いつも、仲良しで。
時には喧嘩し、陽が落ちるまで二人で泣いたりして。
(そうか? 俺様、謝るまで羽根むしられてたような)
餌を求め、怒り狂った蝦夷羆に襲われたこともあった。
彼は身を挺して守ってくれた。友のために、命を投げ出した。
(死んだ原因、それじゃねーし!)
(だいたい、冬眠中のヒグマの巣穴探検させたの、誰だよ!)
…アルワン、うるさい。
喋れないくせにモノローグにツッコミ入れるの、よくない。
(ならツッコませんなよ! もっと正確な回想しやがって下さい!)
-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-
闘技大会は、激戦だった。
勝てるとは思えない、凄い人ばかり。
変な人も多かった。これ、褒め言葉。
いつもギリギリ。だけど、前進。
――がんばってね!
試合後に声、かけてくれた人がいた。
心が熱くなった。
勝者は、敗者の想いを背負って前へ進む。
頑張るって嫌いな言葉だけど、頑張ろうって。
ちょっとだけ、覚悟。
試合後にマリィに出逢った。
「また、うっかり死んでたですぅ?」
……ぴき。
昼寝してるトコ発見したので、顔にラクガキしておいた。
ばーか、ばーか。
-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-
ぬいぐるみ、見つけた。
毛並みが黒曜石のように美しい、小さな黒猫のぬいぐるみ。
小さい、といっても、でかい。
ふれあの倍はでっかい。本当の仔猫と同じサイズ。
…アルワン、おいで?
丁度いい、寄代を見つけたよ。また、生きられるよ。
見上げる空は蒼く澄み渡り、
流れる雲は白く線状にたなびいて。
黎明の大気を疾走する、影ひとつ
黄褐色の斑羽根をはためかせ、大空へ覇者は往く
悠然と舞うワシミミズクの背から手を伸ばす
暁の綺羅星を掴もうと、幼い指を遠くへ伸ばす
あの頃私たちは
世界が、自分達のものだと信じていた
そんな夢
そんな過去
そんな絶望
-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-
『なぁ。想い出にひたってるトコ、悪ィんだけどよ?』
「…なに?」
『俺様、確かミミズクだった気がすンだよ。フクロウ目フクロウ科』
「うん」
『この姿、猫に見えるんだがよ。しかもぬいぐるみ。ふかふか?』
「かわいい」
『………。姐さんよ。サスガの俺様でも、翼が無ェと飛べねーんだぜ』
「………?」
『だから! 頼むから、せめて小鷹とか飛べるイキモノに入れてくれよ!』
うさ耳が生えた、いつもの寝床。
リズの頭の上で黒猫のぬいぐるみが奇声をあげた。
幽霊は受肉し命を宿す。
たとえ綿がはみ出る体躯たろうと、カラダはカラダに違いなく。
「面倒」
リズの頭の猫のぬいぐるみのその上で、手のひらサイズの精霊が返す。
ひとこと、バッサリ切り捨てて。
木漏れ日差し込む森の中、のどかな光景に迷い鹿は笑う。
友情など生温く、魂の縒糸に結ばれし一人と一匹。
今ここから始まるは、新しき世界False Islandの旅路なり――。
縞梟の異名授かる神種に迷い込んだ、一羽の雛。
霊鳥に在らずして、村の守護神たる誇りを身に宿す。
されど、木菟は梟神にあらず。
民草の尊崇を受けるも、扉を超え転じる先に御座は無く。
狭間に惑いて、神格と魔性混じりたる精霊と成れかし。
-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-
「つまり、死んでからバケモノ(妖)になったってこと」
…とは、ラズの言葉。
ショックを受けて凍りつき、よたよた千鳥足でいじける一羽の霊。
アルワン――。
それが、ミミズクの名。
正確には、元ミミズクの幽霊の真名。
躯を取り巻く青白い色。半透明。きれい。
暗闇でも光る。便利。
でも、光を目指して敵がやってくる。使えない。
(ハハ。相変わらず容赦ねぇなァ、姐さんは!)
七の月、七の日、七の歳に出逢った、落し物。
大陸から飛来した、見慣れない姿の梟種が残した遺児。
村のコタンコロカムイが、仮親の任を担った。
軽やかな風に山吹の向日葵揺れる、短い夏
山岳を覆い尽くす落葉樹が、一斉に色を灯す秋
樹氷立ち並ぶ大河に、ふわり気嵐煙る長い冬
――そして、春。
駆け巡る季節を共に過ごし、共に生きた。
幼なじみという言葉だけでは括れない、深い絆があった。
(…てゆーかよ、子分扱い? 鳥権無視、みたいな?)
いつも一緒にいるのが普通で。いつも、仲良しで。
時には喧嘩し、陽が落ちるまで二人で泣いたりして。
(そうか? 俺様、謝るまで羽根むしられてたような)
餌を求め、怒り狂った蝦夷羆に襲われたこともあった。
彼は身を挺して守ってくれた。友のために、命を投げ出した。
(死んだ原因、それじゃねーし!)
(だいたい、冬眠中のヒグマの巣穴探検させたの、誰だよ!)
…アルワン、うるさい。
喋れないくせにモノローグにツッコミ入れるの、よくない。
(ならツッコませんなよ! もっと正確な回想しやがって下さい!)
-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-
闘技大会は、激戦だった。
勝てるとは思えない、凄い人ばかり。
変な人も多かった。これ、褒め言葉。
いつもギリギリ。だけど、前進。
――がんばってね!
試合後に声、かけてくれた人がいた。
心が熱くなった。
勝者は、敗者の想いを背負って前へ進む。
頑張るって嫌いな言葉だけど、頑張ろうって。
ちょっとだけ、覚悟。
試合後にマリィに出逢った。
「また、うっかり死んでたですぅ?」
……ぴき。
昼寝してるトコ発見したので、顔にラクガキしておいた。
ばーか、ばーか。
-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-
ぬいぐるみ、見つけた。
毛並みが黒曜石のように美しい、小さな黒猫のぬいぐるみ。
小さい、といっても、でかい。
ふれあの倍はでっかい。本当の仔猫と同じサイズ。
…アルワン、おいで?
丁度いい、寄代を見つけたよ。また、生きられるよ。
見上げる空は蒼く澄み渡り、
流れる雲は白く線状にたなびいて。
黎明の大気を疾走する、影ひとつ
黄褐色の斑羽根をはためかせ、大空へ覇者は往く
悠然と舞うワシミミズクの背から手を伸ばす
暁の綺羅星を掴もうと、幼い指を遠くへ伸ばす
あの頃私たちは
世界が、自分達のものだと信じていた
そんな夢
そんな過去
そんな絶望
-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-
『なぁ。想い出にひたってるトコ、悪ィんだけどよ?』
「…なに?」
『俺様、確かミミズクだった気がすンだよ。フクロウ目フクロウ科』
「うん」
『この姿、猫に見えるんだがよ。しかもぬいぐるみ。ふかふか?』
「かわいい」
『………。姐さんよ。サスガの俺様でも、翼が無ェと飛べねーんだぜ』
「………?」
『だから! 頼むから、せめて小鷹とか飛べるイキモノに入れてくれよ!』
うさ耳が生えた、いつもの寝床。
リズの頭の上で黒猫のぬいぐるみが奇声をあげた。
幽霊は受肉し命を宿す。
たとえ綿がはみ出る体躯たろうと、カラダはカラダに違いなく。
「面倒」
リズの頭の猫のぬいぐるみのその上で、手のひらサイズの精霊が返す。
ひとこと、バッサリ切り捨てて。
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ENo.106 梟霊アルワン
Sicx LivesのPLのひとり。
ふらふらと漂う木片。
つれづれなるまま、
書き綴ってます。
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