2010/03/25 (Thu) 偽島22日目＠日記

　最近、偽島日記が長すぎて文章を書くことで生活サイクルが圧迫されていることに気づいたです。
　仲間も書いてくれれば楽になるのに。

「…何をメタ発言しているんだ、お前は」

　頭から鷲掴みされたです！？
　ジェイはもうすこし、か弱い天使を優しく扱うことを覚えるべきです。
　エンジェルファーストです！

「ほほう。じゃあ、この場合はどっちを優先すればいいんだ」

　スッと指差した方向に、何者かの影が見えました。
　あっ。あれはガーゴイルです。石像や銅像を媒介に具現化した魔族。天使の敵です！
　しかもアレは、変動期の偽島でメルトを何度も惨殺したひどい奴です。
　それはもう、最高級の恨みをもって出迎えなくてはいけないです！

「天使が恨みや憎しみを原動力に戦ってもいいのか…？」

　なにをいうです、カリア！
　目には目潰しを、歯にはナックルをとえらい神様もいってます！

「お前の発言にもそろそろ慣れてきたが、もう堕天使を名乗ったほうがよくないか」

　羽根が黒くない限り、天使は墜ちたとみなされないです。
　だから大丈夫です！

「わかったわかった。それじゃあアレも天使なんだな？」

　振り返ると、ガーゴイルのそばに何かいるです？
　マッチョな肉体をグリコの少年の如く振り上げて輝く男の人。背には白い鳥の翼。頭上には輝く光の輪。

　光の輪？

　……なんですか、アレ？

「わかんねぇから聞いてんだよ、お前に」

　外見は天使に見えるですが、どう見ても天使に見えなくもないです。

「さしものお前でさえ混乱しているということは、よくわかった」

　でも、なんかあからさまに怪しいですよ！？
　ガーゴイルは魔族なのです。一緒になって襲い掛かってくるなんてありえないです。
　そもそもマッチョ天使は力天使の管轄なのです。でも、あのポーズはとてもカッコ悪いです！

「ポーズ？」

　こう、むきむきっとした感じの。
　完璧なポージングを見ると、力天使長様のほっぺたがとろとろに緩むです。うっとりです。

「天界にも、色々な奴がいるんだな」
「……いたなぁ、そんなの」

　カリアとジェイの相槌はさておいて、メルトはびしっと指差して決めたです。

「偽者です！ 貴方は天使ではないです。正体を現すべきです！」

　カメラがあれば、俯瞰、煽り、全体構図でバンバンバンと放映されるべきシーンでした。
　偽天使がニヤリと嗤ったです。
　すごく邪悪な笑い顔でした。あー、そもそも神族じゃないですね。天使に擬態した何か、です？

「いいさ。どちらにしても駆逐するだけだ」
「そうだな。最近、天使をみると殺意を覚えるから丁度いい」

　砂利を踏みつけて、二人が戦闘態勢を取ったです。
　ところで天使はあっちです。メルトを見るのはやめてほしいです。仲間なのです。
　舌打ちが聞こえたです！？ どうして舌打ちです！？ メルトは理不尽に打ち震えているです！？