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歌を唄う猫の夢

定期更新ネットゲーム『Sicx Lives』の、 日記・雑記・メモ等が保管されていくのかもしれません。 昔は『False Island』のことを書いてました。

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[ -Recollection- ]


恋を結ぶのが視えざる赤い紐ならば

友情を紡ぐのは何色の紐だろう?


黄金色でない事は知っている

それは、絆を断ち切る鋏の色だから

 -+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-
[ Alwan's Eye -Travel Side-]


俺様はアルワン。ミミズクの神霊だ。
なのに今は《黒猫のぬいぐるみ》なんて、フザケタもんに封印されている。

つーか、ぶっちゃけ出たいのに出られねェ。
姐さんにこんな器用なコト出来るはず無ェから、ラズかリズか、どっちかがヤッてるに決まってる。

しかし、俺様もオトナだ。
たぶん100年も生きたことのねェガキに、いちいち目くじら立てても仕方がねェ。
ココは俺様が怒りを抑えてやることで、事態を丸くおさめてやッてんのさ。

だが、今。
俺様の身に、とてつもない難題が降りかかろうとしている。
ソイツに気づけるはずはなかった。なにしろ、俺様は夢の中でグッスリだったんだからな!


+大+『なんじゃコリャ――――――ッ!』-大-


俺様が絶妙なトラップに気づいたのは、もう太陽も真南に射しかかろうとしている頃だった。
ちりんちりんと鳴る鈴の声。
澄み切った音色で、地面の起伏に併せるかのように踊ってやがる。

最初は、何かヤベェもんにでも憑かれたかと思ってたんだぜ?
べとべとさんとか、オヤシロサマとか、そんなストーキング妖怪にでも見初められちまったかッてな!

しかし、よォく耳を澄ましてみりゃ、どうも俺様と音がシンクロしてる。
サッと振り返っても何も無ェのはオヤクソク。

……まァ、そりゃそうだよな。

猫の尻尾はバランスを取るためのアイテムだ。
俺様が右から首を巡らせば、尻尾は左に折れるに決まってンだろ?
偶然、赤い布切れがチラ見せしてこなきゃ、ずーっと見つけられねェとこだった。

そう、俺様の尻尾には、ちいさな鈴が絡まっていた。
正確に言えば、金色の鈴を通した赤いリボンが、尻尾に結び付けられていたのさ。

『OK、OK、俺様。Coolになれ』

状況からして、コイツは勝手に絡まったワケじゃねェな。
キレイに花開いたチョウチョウ結びなんて乙女チックな結び目。どう見ても人為的。
だとしたら、アイツしか居ねェじゃないか。

振り返ると、視線を逸らしたヤツがいる。
アレキサンドライト・リスティス。このパーティの料理を一手に引き受けているライフライン。
ニンゲンっぽいのに背中に羽根が生えてる、得体の知れねェ生物だ。

『よぅ、リズ。ちょーっと聞きてェことがあるんだけどよ?』
「えへへ、なぁにー?」

おうおう。幸せそうな顔ツキで近寄ってきやがる。
頭ン中が数式や図形で埋め尽くされてるラズも読めねェが、コイツは何を考えてるか解んねェのが特徴だ。
姐さんとはまた違ったタイプの天然キャラっつーかよ。

『この鈴ツケてくれやがったの、オマエだろ?』

できるだけ、にこやかに。嬉しそうなアクセントで訊いてやった。
案の定、ヤツはスゲェ綻んだ笑顔で、元気よく「うん!」とか頷きやがった。
救われねェ。

『あっはっは。撫でてやるから、頭をコッチに下げろ』
「わぁい☆ すごいでしょ。海辺の屋台で買ったの。似合ってると思ってたんだよねぃ」

そうかそうか、あっはっは。
わざわざ俺様のために。なけなしの金をはたいて。買ってくれたってワケだ?
そうかそうか、いい子だな。

+大+『んなわけあるか――ッ!』-大-

一回転の遠心力を付加して、力いっぱい頭を殴りつける。
もし俺様がぬいぐるみじゃなかったら、柘榴のようにぱっくりイッてた所だぜ?
ぽへっと軽い音を立てた頭を抑え、リズは涙目でのけぞった。

「あうう、痛いよぅ。何するのーっ?」
『何すンの? ……じゃ、無ェー!
 俺様のダンディズムあふれるシッポに、どんなイタズラ仕掛けくさってやがんだコラ!
 そこに正座しろ! 今日という今日は一時間は説教してやッからよ!』
「ええー! かわいいのにー! すごく、かわいいのにー!」

この怒りが届いたと信じたい。
説教始めて間もなく、空気読めてねぇラズが、

「ご飯まだ? ふれあのお腹が鳴ってうるさいんだけど」

とか横槍入れてきやがった。
それに乗じて、そそくさと逃げ出しやがったリズの後ろ姿が不安でたまらねェが。

まァ、いい。

俺様は、オトナなんだ。これもまた、俺様が我慢すりゃイイ話なんだろ?
このパーティで一番マトモなのは、俺様ぐらいのもんさ。
ガキを躾けンのも、調子づかせンのも、俺様が居なきゃ始まらねェ。
常識力は重要なスキル。ヤツらに流されると、悲劇も笑劇に変わッちまうからな。

「……。なんで、くるくる回ってるの? 新しい遊び?」
『リボンに手が届かねェんだよ! 気づいてンなら手伝いやがれ!』

鈴を追えば、尻尾は逃げる。
いつまでたっても追いつかない鈴に、いい加減イライラしてきた所にムカつくジャリ公が!

しかし――

「でも、そのリボン、たぶん解けないよ?」
『……は? なんでよ』
「呪いに似てる。反転概念かな……異界を経由して縛ってある」
『ちょ、まッ! オマエ、魔術のエキスパートだろ? なんとかしてくれよ!』
「無理。儀式クラスの解呪魔術が必要。準備するのに手間がかかる」
『なんだとォー!?』
「大丈夫。害のある術式には見えないし。いざとなれば、尻尾を切り落とせばいい」

ノォォォォー!
叫びは虚しく砂地へ吸い込まれて消えた。
恐らくSummer Vacationイベントに乗じた悪童共の、イタズラ目的のマジックアイテムだろう……
って言われたが、その時の俺様は放心状態だったのでロクに聴いちゃいなかった。


俺様はアルワン。ミミズクの神霊だ。
なのに次は《かわいい金色の鈴》なんて、フザケタもんに呪われている。

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つれづれなるまま、
書き綴ってます。

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