歌を唄う猫の夢
定期更新ネットゲーム『Sicx Lives』の、 日記・雑記・メモ等が保管されていくのかもしれません。 昔は『False Island』のことを書いてました。
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[ -Recollection- ]
ハジメマシテ
ワタシガ スベテノ ――ダ。
-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-
ハジメマシテ
ワタシガ スベテノ ――ダ。
-+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-
[ Flare's Eye -Travel Side- ]
蒼穹に白く薄い雲、たなびく。
轟と鳴く、風一陣。吹きあげて紅髪を揺らす。
光あふれる空を、ただ静かに眺めている。
身動きすることもなく。ぼんやりと、焦点の合わぬ虚脱な視線を向けて。
ヨォコソ オジョウサマ
邪魔な声。記憶野に染み込んだ雑音。
月日が経てど減衰せず、消去する術も知れず、反響して陰々と繰り返す。
刹那の暗転。空はこんなにも、明るいというのに。
堕ちた先は赤い夜。熟しきった果実の天蓋。反転する赤い果皮。
ヒャハハ! マァタ逢エテ 嬉シイゼ
ぎり、と奥歯が軋んだ。毛細血管を灼いて、充血する瞳孔。
不快な感情の流入。混濁する激情。知らない。知っている。この想いは、
今日ハ "御馳走" ジャナイカ?
牙を突き立て咀嚼する。がりごり。ばりぼり。
飲み下さず、顎で噛み砕く黒い蛇。黄昏に似た色彩。霞む風貌。掴めぬ影像。
波打ち荒れる心の水面が、次第に、なだらかに均されてゆく。
静かに見つめる。腐り続ける林檎を眺める。
吐き散らかした毒蛇の涎が、枯れた果実に潤いを与えて泡立った。
不味イネェ 不味イネェ 美味シクナイネェ
耳まで裂けた口唇が、牙を剥き出しにして、めくれあがった。
曖昧な墨絵。鱗は見えない。揺らめく黒。白はない。闇ではない。
親しみすら覚える姿。付き合っている年数は、眠っている年数。
梟神を任ずる友より、ずっとずっと深い仲。疎通せぬ問答にも、もう馴れた。
足リナイ モット寄越セ 命モ 寄越セ
苛々が伝わる。水面はざわつかない。原因は食べられた。勝手に食べられた。
渡せるものはない。どこにもない。命はあげられない。これは、私のものだ。
駄目ダ モウ我慢デキナイヨ
駄目と云われても、駄目。状況は連鎖する。永逝すれば、友の魂もまた滅ぶ。
しゅるしゅると妖しく舌を蠢かせながら、蛇は迫る。
抵抗はしない。信じている。蛇ではない。この世界を、私は確信している。
蛇は嗤う。近づけぬ己を理解しているから、やがて訪れる未来を夢想して嘲う。
腐るのが先か、枯れるのが先か。林檎は命だ。荒廃した楽園に残る最後の奇果。
残念 時間ギレ
――マタ 逢オウ
拡散する赤い夜。分解される黒い蛇。巨大な果皮の天蓋が空気に溶けてゆく。
断ち切る蒼い空。隙間なく照らす白い光。乾いた砂の匂いが鼻腔をくすぐる。
覚める。瞼が重い腰をあげて開く。
いつの間にか、自分は深く眠っていたのだと気づいた。
「ねぇねぇ、魔法陣ってまだなのかなー?」
『ああもう! さっき地図広げて確認したばかりだろォ!』
「マイスター…、流石に気が早いですぅ」
「もうすぐ。でも気をつけて。魔物の巣は、まだ抜けてない」
ふわぁ、と背を伸ばして欠伸する。こちらが本当。いつもの世界。
だから夢で見た景色は、もう思い出せない。
蒼穹に白く薄い雲、たなびく。
轟と鳴く、風一陣。吹きあげて紅髪を揺らす。
光あふれる空を、ただ静かに眺めている。
身動きすることもなく。ぼんやりと、焦点の合わぬ虚脱な視線を向けて。
ヨォコソ オジョウサマ
邪魔な声。記憶野に染み込んだ雑音。
月日が経てど減衰せず、消去する術も知れず、反響して陰々と繰り返す。
刹那の暗転。空はこんなにも、明るいというのに。
堕ちた先は赤い夜。熟しきった果実の天蓋。反転する赤い果皮。
ヒャハハ! マァタ逢エテ 嬉シイゼ
ぎり、と奥歯が軋んだ。毛細血管を灼いて、充血する瞳孔。
不快な感情の流入。混濁する激情。知らない。知っている。この想いは、
今日ハ "御馳走" ジャナイカ?
牙を突き立て咀嚼する。がりごり。ばりぼり。
飲み下さず、顎で噛み砕く黒い蛇。黄昏に似た色彩。霞む風貌。掴めぬ影像。
波打ち荒れる心の水面が、次第に、なだらかに均されてゆく。
静かに見つめる。腐り続ける林檎を眺める。
吐き散らかした毒蛇の涎が、枯れた果実に潤いを与えて泡立った。
不味イネェ 不味イネェ 美味シクナイネェ
耳まで裂けた口唇が、牙を剥き出しにして、めくれあがった。
曖昧な墨絵。鱗は見えない。揺らめく黒。白はない。闇ではない。
親しみすら覚える姿。付き合っている年数は、眠っている年数。
梟神を任ずる友より、ずっとずっと深い仲。疎通せぬ問答にも、もう馴れた。
足リナイ モット寄越セ 命モ 寄越セ
苛々が伝わる。水面はざわつかない。原因は食べられた。勝手に食べられた。
渡せるものはない。どこにもない。命はあげられない。これは、私のものだ。
駄目ダ モウ我慢デキナイヨ
駄目と云われても、駄目。状況は連鎖する。永逝すれば、友の魂もまた滅ぶ。
しゅるしゅると妖しく舌を蠢かせながら、蛇は迫る。
抵抗はしない。信じている。蛇ではない。この世界を、私は確信している。
蛇は嗤う。近づけぬ己を理解しているから、やがて訪れる未来を夢想して嘲う。
腐るのが先か、枯れるのが先か。林檎は命だ。荒廃した楽園に残る最後の奇果。
残念 時間ギレ
――マタ 逢オウ
拡散する赤い夜。分解される黒い蛇。巨大な果皮の天蓋が空気に溶けてゆく。
断ち切る蒼い空。隙間なく照らす白い光。乾いた砂の匂いが鼻腔をくすぐる。
覚める。瞼が重い腰をあげて開く。
いつの間にか、自分は深く眠っていたのだと気づいた。
「ねぇねぇ、魔法陣ってまだなのかなー?」
『ああもう! さっき地図広げて確認したばかりだろォ!』
「マイスター…、流石に気が早いですぅ」
「もうすぐ。でも気をつけて。魔物の巣は、まだ抜けてない」
ふわぁ、と背を伸ばして欠伸する。こちらが本当。いつもの世界。
だから夢で見た景色は、もう思い出せない。
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つれづれなるまま、
書き綴ってます。
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