2008/11/29 (Sat) 探索64日目-日記

ごろごろー。

ごろごろー。

ふわふわお布団。
頬をくすぐる、細く束ねた毛糸の感じ。

寝返りでぽふっと顔をうずめると、お日様のにおいが弾けるよう。
さながら金色の花粉。
捉えどころ無く、涼風に吹かれ消えていく。

ごろんと黒い獣毛に背に向けて、どこまでも広がる蒼い空を見上げた。

透きとおる響きで鳴きながら、東へ飛んでゆく斑羽根の渡り鳥。
もやもや広がる白い雲。わたがしみたいに膨れている。

その先に太陽。眩しく落ちる輝きを、小さな指で遮って。

きゅっと握る。
光を掴むように。手のひらの中に閉じ込めるように。

胸元へ近づけて、そっと開く。もちろん籠の中には、何も無く。
天空の焔との距離は、圧倒的なまでに遠い。


耳を澄ませば、流れる水のせせらぎ。
遠い稜線にひしめく樹林は、鮮やかな紅葉に咲き誇り。

小石を蹴る音。

鼻歌を奏でる音。

砂利を踏む音。

のんびりした話し声。

ほがらかな笑い声。

揺れる背中。

暖かい日差し。

まどろみ。

薄れゆく意識。夢の先。
背に感じるぬくもりだけが、儚い命を繋ぎとめている。