2007/10/06 (Sat) 探索21日目-日記

[ -Recollection- ]



　魔術の仕組みを律するシステムを、魔法と言う――。



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[ Lapislazuli's Eye -Travel Side-]

○夢猫ふれあ／夢猫陽媛
　アイヌ韻：フレィア。精霊韻：発音不可。長いので省略。
　物質界受肉型・高位精霊類、コロポックル種。体長約10cm程度。
　エルダー・エレメンタル。
　憑依呪法により、本来持ちうる以上の能力を強引に引き出されている。
　体格も強化されている為、オーバーパワーによる身体崩壊の危険性はなし。
　ただし、神式封印の補助として大量の食事と、特別長い睡眠を必要としている。

　→付記：憑依呪法
　　悪霊憑依タイプのカース(呪い)と分析。
　　呪法様式・憑霊種類、共に不明。散逸した魔法定義？　解除不可能。
　　理性を奪い狂戦士化させることが目的と考察するが、手順が複雑すぎる。要調査。
　　アルワンの神式封印により、カースのプログラム進行は抑制されている。


○七／阿瑠羽庵
　アイヌ韻：アルワン。神獣韻：同左。
　土着神に見られる崇敬神格化タイプの神属『村の守り神(コタンコロカムイ)』
　ただし異端。本来は縞梟(シマフクロウ)のみが神化できる位階。
　本人は梟目梟科、鷲木莵(ワシミミズク)。外来種。
　守護の定義を個人に書き換えたため、現在、肉体喪失(神霊化)・神力減衰状態らしい。

　→付記：ぬいぐるみ
　　受肉できないため、黒猫タイプのぬいぐるみに隷属封印して実体を確保。
　　封印様式は神道・神秘複合型。ふれあ・リズの共鳴変異魔術と推測。
　　解きほぐせなくもないが、儀式クラスの手続きが必要。面倒。


○おとぎばなし。
　御伽噺、御伽文庫、あるいは御伽草子と呼ばれる創作物語。昔話。
　発生は西暦1336年～1573年とされる。

　→付記：一寸法師
　　約3cm程度の男性が鬼退治をし、立身出世する物語で知られる。
　　普遍的なシュリンカー的創作ストーリーだが、…実在人物？
　　最終的には中枢機関の補佐的地位『中納言』に就いているらしい。
　　ふれあが使う技の源流開祖と思われる。詳細は別項目参照。





パタンと、古い羊皮紙で綴られたメモ帳を閉じる。

断片ながら書き留めた言葉。聞いた話、聞いてしまった話の取り留めの無い羅列。
走り書きは、まだ深き考察に至る道筋を示していない。
しかし、情報は魔術にとって重要なファクターでもある。控えておいて損はない。

石積みの階段から降りた先、朝靄が覆うなだらかな丘陵から見渡せば、麓に大きな魔方陣が見える。
階段の下にまた地上が広がっているというのも不思議な光景だが、箱庭とはそういうものだろう。

大きくひとつ、深呼吸。
ふわりと鼻腔を刺激する匂いに気づく。どうやら、食事の支度が整ったらしい。

長耳族の魔術師は、寝癖を気にしながら踵を返す。
明日は遺跡外へ帰還する。必要なものは何かな、と先の先に思索を遊ばせながら――。