歌を唄う猫の夢
定期更新ネットゲーム『Sicx Lives』の、 日記・雑記・メモ等が保管されていくのかもしれません。 昔は『False Island』のことを書いてました。
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「……おや、美味そうな女が2人」
サバスが顎に指を添えた傲慢なポーズで呟いた。
「美味しそうとかいうな」
ジェイが疲れたようにツッコミを入れる。
すでにこのような会話が何回も繰り返されていて、彼としては非常に困っているところだ。
しかし、サバスの指摘はある意味で正しい。
彼らの行く手には、座り込んだ金色の少女の肩を支える、装飾銀の鎧を纏う銀髪の少女がいたのだから。
サバスが顎に指を添えた傲慢なポーズで呟いた。
「美味しそうとかいうな」
ジェイが疲れたようにツッコミを入れる。
すでにこのような会話が何回も繰り返されていて、彼としては非常に困っているところだ。
しかし、サバスの指摘はある意味で正しい。
彼らの行く手には、座り込んだ金色の少女の肩を支える、装飾銀の鎧を纏う銀髪の少女がいたのだから。
「私だよ、シズクリアス・プリズムだよ。…分かる?
……迎えに来たよ、もう少しだよ、リディアーヌ……早くマナを吐き出して外に……出よう?」
「ぁ、ぁあぇぁ…あぁ……ァァ………」
「…うん、…うん。…あのひとならきっと、マナを取り出してくれる」
シズクリアス・プリズム。
確か、ベルクレア第15隊と名乗った女性騎士。
「エキュオス……」
カリアが呟く。彼女は、この島の真北に位置するエルタ出身という話を聞いている。
マナに侵された生物"エキュオス"が蔓延る地、エルタの命。
金髪の少女の名はリディアーヌと名乗るらしい。
メルトが視線を細くしながら言った。
「…天使に似てるです? でも、あんなのは見たことがないです」
リディアーヌはゆらりゆらりと、呆けた様子で首を揺らしている。
が、その疲れ果てた眼がこちらの姿を捉えた時、表情は一変した。
「ひゃあははははははは! ひいゃあははははははははッ!!」
異様な笑み。哄笑とも嘲笑とも違う、狂笑。
視点は虚ろに定まらないままでいるのに、明らかな敵意を吹き付けて笑う。
「…ッ 貴方たちッ! …ダ、ダメぇッ……リディアーヌッ!!」
シズクが哀しそうに、悔しそうに歯噛みした。
その様子を観察して、サバスが「ふむ」と顎をしゃくる。
「いつもの展開だと我々は襲われそうだな」
「…あぁ、そうだな」
返事は後ろから来た。
「ん? 何だお前は」
「…ギルだ。文句あっかオッサン」
赤髪の青年、ギル。
シズクと同じ、ベルクレア第15隊の隊長格。
警戒態勢を取るカリア。同じ短剣使いとして、彼は危険に属する人物だと理解している。
「……ギル…ッ!? ……どうして……?」
シズクが茫然とした様子で呟く。
「話は後だ後だッ! こいつを黙らせねぇとうるさくて話もできやしねぇ。
…おいオッサン、お前ら、力貸せ」
「オッサンではない、サバス=ルネティリウスだ。なに、気安く教授と呼べばいい」
「ぁ? …あぁ、サンキュー…?」
よくわからないが、話はまとまったらしい。
ジェイが溜息をつく。自分たちは返事をしていないのだが、どうやら助力しないわけにはいかないようだ。
「ま、待ってくださいギルッ!! この子は、リディアーヌは悪くないっ!!」
「…ったくァ、うだうだ言ってんなッ!!
止めねぇとどうにもならねぇだろッ!! 善も悪もねぇだろぅがよぉぉッ!!」
「…ダメッ! 傷つけないで…ッ!!」
シズクがリディアーヌを後ろ手に庇いつつ、弓をつがえてこちらへ向けた。
「あの金のエンゼルはエキュオスだ。全力で叩いても大した傷は負うまい」
「エンゼルいうなです。あれはもっと別の何かです!」
思わずメルトが天使の名誉にかけて反駁するが、誰も聞いてくれない。
「ぉ、そりゃ貴重な情報ありがとさん。手加減しねぇで済むわ」
「手加減? …そもそも、既にお前はかなり疲労しているではないか?」
「…うっせぇなぁ、全速力で鬼ごっこなんて10年ぶりだったんだよ……」
「鬼ごっこ?」
「ああ、アイツとな」
親指で指し示したのは、目前の銀髪騎士だった。
なるほど、ベルクレア15隊は何らかの理由で分解状態にあるということか。
「……降ろして」
「断る、首もとの香りがたまらない女神様よ。少し私の背中を楽しんでいたまえ、…すぐ終わる。」
白い少女の幾度目かの頼みをすげなく断り、 サバスは髭を撫でる。
存在自体がセクハラなのに、行動までセクハラで救いようがない。
「ギル…ッ!!」
「まぁ落ち着けよシズク……いつも通り、大人しく、黙って、俺に任せてろッ!!」
好戦的な表情に慈愛の眼差しを浮かべて、ギルが告げる。
「といっても、主に戦うのは俺たちだけどな」
「…かなり危険だ。侮らない方がいい」
「偽物は粉砕するですー!」
「ひゃあははははははは! ひいゃあははははははははッ!!」
たがの外れた絶叫を歪な背景音楽として、エキュオスとの戦闘が始まる。
……迎えに来たよ、もう少しだよ、リディアーヌ……早くマナを吐き出して外に……出よう?」
「ぁ、ぁあぇぁ…あぁ……ァァ………」
「…うん、…うん。…あのひとならきっと、マナを取り出してくれる」
シズクリアス・プリズム。
確か、ベルクレア第15隊と名乗った女性騎士。
「エキュオス……」
カリアが呟く。彼女は、この島の真北に位置するエルタ出身という話を聞いている。
マナに侵された生物"エキュオス"が蔓延る地、エルタの命。
金髪の少女の名はリディアーヌと名乗るらしい。
メルトが視線を細くしながら言った。
「…天使に似てるです? でも、あんなのは見たことがないです」
リディアーヌはゆらりゆらりと、呆けた様子で首を揺らしている。
が、その疲れ果てた眼がこちらの姿を捉えた時、表情は一変した。
「ひゃあははははははは! ひいゃあははははははははッ!!」
異様な笑み。哄笑とも嘲笑とも違う、狂笑。
視点は虚ろに定まらないままでいるのに、明らかな敵意を吹き付けて笑う。
「…ッ 貴方たちッ! …ダ、ダメぇッ……リディアーヌッ!!」
シズクが哀しそうに、悔しそうに歯噛みした。
その様子を観察して、サバスが「ふむ」と顎をしゃくる。
「いつもの展開だと我々は襲われそうだな」
「…あぁ、そうだな」
返事は後ろから来た。
「ん? 何だお前は」
「…ギルだ。文句あっかオッサン」
赤髪の青年、ギル。
シズクと同じ、ベルクレア第15隊の隊長格。
警戒態勢を取るカリア。同じ短剣使いとして、彼は危険に属する人物だと理解している。
「……ギル…ッ!? ……どうして……?」
シズクが茫然とした様子で呟く。
「話は後だ後だッ! こいつを黙らせねぇとうるさくて話もできやしねぇ。
…おいオッサン、お前ら、力貸せ」
「オッサンではない、サバス=ルネティリウスだ。なに、気安く教授と呼べばいい」
「ぁ? …あぁ、サンキュー…?」
よくわからないが、話はまとまったらしい。
ジェイが溜息をつく。自分たちは返事をしていないのだが、どうやら助力しないわけにはいかないようだ。
「ま、待ってくださいギルッ!! この子は、リディアーヌは悪くないっ!!」
「…ったくァ、うだうだ言ってんなッ!!
止めねぇとどうにもならねぇだろッ!! 善も悪もねぇだろぅがよぉぉッ!!」
「…ダメッ! 傷つけないで…ッ!!」
シズクがリディアーヌを後ろ手に庇いつつ、弓をつがえてこちらへ向けた。
「あの金のエンゼルはエキュオスだ。全力で叩いても大した傷は負うまい」
「エンゼルいうなです。あれはもっと別の何かです!」
思わずメルトが天使の名誉にかけて反駁するが、誰も聞いてくれない。
「ぉ、そりゃ貴重な情報ありがとさん。手加減しねぇで済むわ」
「手加減? …そもそも、既にお前はかなり疲労しているではないか?」
「…うっせぇなぁ、全速力で鬼ごっこなんて10年ぶりだったんだよ……」
「鬼ごっこ?」
「ああ、アイツとな」
親指で指し示したのは、目前の銀髪騎士だった。
なるほど、ベルクレア15隊は何らかの理由で分解状態にあるということか。
「……降ろして」
「断る、首もとの香りがたまらない女神様よ。少し私の背中を楽しんでいたまえ、…すぐ終わる。」
白い少女の幾度目かの頼みをすげなく断り、 サバスは髭を撫でる。
存在自体がセクハラなのに、行動までセクハラで救いようがない。
「ギル…ッ!!」
「まぁ落ち着けよシズク……いつも通り、大人しく、黙って、俺に任せてろッ!!」
好戦的な表情に慈愛の眼差しを浮かべて、ギルが告げる。
「といっても、主に戦うのは俺たちだけどな」
「…かなり危険だ。侮らない方がいい」
「偽物は粉砕するですー!」
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つれづれなるまま、
書き綴ってます。
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