2010/06/26 (Sat) 偽島33日目＠日記

「調子はどうだ？」

　呼びかけに、妖精騎士は腕をまわし、幾つかの運動を試したあとで告げた。

「悪くない」

　前日の、謎の女性による施術が効いたのだろう。
　意識不明で昏倒していたわりに、わずか１日で快復するとは感嘆するほかない。
　カリアは面頬の奥で苦渋の表情を浮かべた。直接礼を言えなかったことを悔やんでいるのだ。

「あのぅ。メルトはすっごく調子悪いですよー？」

2010/06/26 (Sat) 偽島32日目＠日記

「うーん、参ったわね……まさか逆に取られちゃうなんてねぇ」

　薔薇飾りの少女は、出逢ったときよりひと回り小さくなった姿で、悪びれもせず声をあげた。

「……ま、仕方ないわね。行きたいなら先に行くといいわ。
　気をつけることね、……今回のおじさんは積極的みたいだから♪」

　魔獣ヨーウィーの群れに撥ね飛ばされたダメージを微塵にも感じさせずに。
　サンドラはクセのある緑髪をなびかせながら、ふわりと空気に溶けて姿を消した。

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2010/06/09 (Wed) 偽島30日目＠日記

　ベルクレア騎士団――

　　守護者崇拝を主義として掲げた、数多くの分隊を纏める大型騎士団。
　　宝玉および財宝の奪取を目的としていると噂されるが、真偽は定かではない。

2010/05/21 (Fri) 偽島29日目＠日記

　深海に響き渡るソナー音のような、反響を内包した強く重厚な鐘の音が鳴る。

　地軸を揺るがす鼓動。
　恒星に照らされた闇を一条切り裂き、凶悪なエネルギーの柱が天地を繋いだ。

2010/05/21 (Fri) 偽島28日目＠日記

　長い休暇を経て、遺跡に戻ってきたです。
　準備万端といいたいところですが、何か忘れ物があるような気がしてならないのは、いつものことでしょうか。