歌を唄う猫の夢
定期更新ネットゲーム『Sicx Lives』の、 日記・雑記・メモ等が保管されていくのかもしれません。 昔は『False Island』のことを書いてました。
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「解除というのはおかしくないか?」
カリアの質問に、メルトは首をかしげた。
「本来あるべき力の解放。封印の解除という意味で使われるべきだろう?
ならばメルト、お前には、元より熾天使級の力があるということになる」
「あるですよ?」
あっけらかんと答えたメルトに、カリアは二の句を失った。
カリアの質問に、メルトは首をかしげた。
「本来あるべき力の解放。封印の解除という意味で使われるべきだろう?
ならばメルト、お前には、元より熾天使級の力があるということになる」
「あるですよ?」
あっけらかんと答えたメルトに、カリアは二の句を失った。
「ジェイの操り天使となってるラファエル様とかガブリエル様は、大天使に分類されるのは知ってるです?」
「詳しく知っているわけではないが、物質界に位階の知識がなかった時代の名残だろう?」
「違うです。正しくは大量生産品と、特殊生産品の違いです」
「大量生産品…」
「一応、メルトは大天使級で調整されてるですからねー。
あ、ダムの水が少なくなってきたので、給水制限かかってるって話に近いですよ?」
ますます混乱する会話に、カリアはついに腕組みをして考え込んでしまう。
妖精界の住人に、天界の理屈は難解なのかもしれない。
「ま、熾天使級の力ってのは、一般的な常識で語る"力"とは違うってことだな」
ジェイが後を引き継いで説明する。
「こいつの言う解放ってのは、大天使が物質界で行使できる力の制限が、熾天使級まで許されるって意味だ。
位階が熾天使であることとは、また別の話だな。
だいたいこの駄天使に、神魔戦争レベルの破壊力を持たせるわけにはいかねーだろ?」
「なるほど」
「どうしてそこを納得するですかー!?」
わめくメルトを放置して、カリアはふと尋ねる。
「それにしてもジェイは詳しいな。まるで天界を知っているかのようだ」
「え。あ、えーと、まあ、知ってるヤツと友達だったんだよ」
そっと顔をそむけるジェイ。
怪訝に感じたカリアが眉根をひそめつつ、更に追及を重ねようとした所に別の声が割り込んできた。
「…なあぁッ!なによこの有様はッ!?
私の…ッ! レディボーンズ様の研究所がボロボロじゃないッ!!」
ぷすぷすと黒煙をあげたり、スパークが飛び散る危険な機械部屋の中。
どこかで見た赤いドレスの女が、ヒステリックな叫びをあげている。
「も、申し訳ない!レディボーンズ…ッ!!」
地べたに這いつくばっていた老人が無念の様子で詫びるも、レディボーンズはハイヒールの先で容赦なく蹴りつけた。
「マルクス、貴方ねぇ……何のためにマナを与えたと思っているの!?
少しは使えるかと思った私が馬鹿だったわッ!!
いつまで生きてるの!? ねぇ!? いつまで生きてるのッ!?」
「…ぐぁあァッ……っんふぅ」
恍惚とした表情を浮かべて悶える老人マルクス。
齢を幾つ重ねても、健康上の限界域が低くなっても、趣味嗜好は優先されるということか。
足元のMに手応えを感じないSが、苛ついた表情を顕わに諸悪の根源へ向かって怒鳴りつけた。
「……そこで暴れている奴らァッ!! ここが何だか分かってんのッ!? 私の研究所よッ!?
いいからとりあえず、その乱闘をやめなさいッ!!!」
目線の先では派手な砂埃が舞っていたが、レディボーンズの声に応じて鎮静化する。
「ジェイ」
「…ああ。どうやら、追いついたらしいな?」
黒スーツの男女と、ローブを着た二人の魔法使い。いや、片方が着ているのはウェディングドレスか。
スーツの男が抱えているのは、白いドレスの娘。
先の平原に備え付けられた天蓋付きベッドの所有者にして、島の謎を握る存在。
「ごめんなさい、人の施設とは知らなくって。あ、初めましてサニーって言います」
「りりりりとるうぃっずああぁぁぁあああぅあぁぁぅぁぅぁぅぁ・・・・・」
「僕はニギア、こっちはスギンディム。僕が抱えてるこの子はこの島の娘さんなんだってさ。
それにしてもおねーさんせくしーだねーいいなぁいいなぁ僕にもそのせくしーを楽しませてくれないかなぁー、ねぇー、ねぇー」
「……気持ち悪い」
毎回話し合う前に殴り掛かってくる剣呑な奴等だと思っていたが、どうやら根は結構気さくな性格らしい。
最後のセリフともかく。
「………ん?」
「……ハ…ッ!!」
しかし、その和やかな挨拶も長くは続かなかった。
我に返ったサニーが、絶壁に追い詰められた犯人のような必死さで声を張り上げる。
「その子を渡せこのロリコンスーツゥゥゥッ!!!」
「誰がロリコンスーツだこのやろぉぉぉぅぅぅッ!!!
僕に近づくなぁぁッ!! この子がどうなってもいいってのかあぁぁッ!!!」
「そんなのどうせ師匠の玩具になるに決まってるからどうなったって構わないッ!!
いいから黙ってその子を渡せえぇぇぇッ!!!」
「うあわあぁあああぁぁぁぁぁあぁさにぃぃぃぃぃいいいさあぁぁぁぁぁんッ!!!」
光線が機械群を薙ぎ払い、引火して爆発炎上する。
荒れ狂う暴風を防ぐべく別の機器が引き抜かれ、盾にされたり、投げつけられたり。
「阿鼻叫喚です?」
再び暴れはじめた彼らに、レディボーンズの唇がひくっと引きつった。
「………貴方たち……」
怒りに染まった女の、怒りに満ちた絶叫がほとばしる。
「お仕置きをお望みのよぉねぇぇッ!!」
最初に出会った頃とは比べ物にならない量の力が、マナが、濁流となって更なる破壊を撒き散らす――。
「えっと…。…あの、どうしたらいいです?」
「……あー。俺たち、もしかしなくても完全に置いてけぼりかなぁ」
オロオロするメルト。事態の展開についていけないでいるジェイ。
さっぱり理解できない状況に、カリアがぼそりと呟いた。
「全員、黙らせる」
その表情は、前髪に隠れてよく見えない。
そーっと上目使いに伺うメルトが、覗いてしまって、ぶわりと汗を噴き出した。
「カリアもキレてるですー!?」
かくして敵味方入り混じり、大乱戦が始まる。
「詳しく知っているわけではないが、物質界に位階の知識がなかった時代の名残だろう?」
「違うです。正しくは大量生産品と、特殊生産品の違いです」
「大量生産品…」
「一応、メルトは大天使級で調整されてるですからねー。
あ、ダムの水が少なくなってきたので、給水制限かかってるって話に近いですよ?」
ますます混乱する会話に、カリアはついに腕組みをして考え込んでしまう。
妖精界の住人に、天界の理屈は難解なのかもしれない。
「ま、熾天使級の力ってのは、一般的な常識で語る"力"とは違うってことだな」
ジェイが後を引き継いで説明する。
「こいつの言う解放ってのは、大天使が物質界で行使できる力の制限が、熾天使級まで許されるって意味だ。
位階が熾天使であることとは、また別の話だな。
だいたいこの駄天使に、神魔戦争レベルの破壊力を持たせるわけにはいかねーだろ?」
「なるほど」
「どうしてそこを納得するですかー!?」
わめくメルトを放置して、カリアはふと尋ねる。
「それにしてもジェイは詳しいな。まるで天界を知っているかのようだ」
「え。あ、えーと、まあ、知ってるヤツと友達だったんだよ」
そっと顔をそむけるジェイ。
怪訝に感じたカリアが眉根をひそめつつ、更に追及を重ねようとした所に別の声が割り込んできた。
「…なあぁッ!なによこの有様はッ!?
私の…ッ! レディボーンズ様の研究所がボロボロじゃないッ!!」
ぷすぷすと黒煙をあげたり、スパークが飛び散る危険な機械部屋の中。
どこかで見た赤いドレスの女が、ヒステリックな叫びをあげている。
「も、申し訳ない!レディボーンズ…ッ!!」
地べたに這いつくばっていた老人が無念の様子で詫びるも、レディボーンズはハイヒールの先で容赦なく蹴りつけた。
「マルクス、貴方ねぇ……何のためにマナを与えたと思っているの!?
少しは使えるかと思った私が馬鹿だったわッ!!
いつまで生きてるの!? ねぇ!? いつまで生きてるのッ!?」
「…ぐぁあァッ……っんふぅ」
恍惚とした表情を浮かべて悶える老人マルクス。
齢を幾つ重ねても、健康上の限界域が低くなっても、趣味嗜好は優先されるということか。
足元のMに手応えを感じないSが、苛ついた表情を顕わに諸悪の根源へ向かって怒鳴りつけた。
「……そこで暴れている奴らァッ!! ここが何だか分かってんのッ!? 私の研究所よッ!?
いいからとりあえず、その乱闘をやめなさいッ!!!」
目線の先では派手な砂埃が舞っていたが、レディボーンズの声に応じて鎮静化する。
「ジェイ」
「…ああ。どうやら、追いついたらしいな?」
黒スーツの男女と、ローブを着た二人の魔法使い。いや、片方が着ているのはウェディングドレスか。
スーツの男が抱えているのは、白いドレスの娘。
先の平原に備え付けられた天蓋付きベッドの所有者にして、島の謎を握る存在。
「ごめんなさい、人の施設とは知らなくって。あ、初めましてサニーって言います」
「りりりりとるうぃっずああぁぁぁあああぅあぁぁぅぁぅぁぅぁ・・・・・」
「僕はニギア、こっちはスギンディム。僕が抱えてるこの子はこの島の娘さんなんだってさ。
それにしてもおねーさんせくしーだねーいいなぁいいなぁ僕にもそのせくしーを楽しませてくれないかなぁー、ねぇー、ねぇー」
「……気持ち悪い」
毎回話し合う前に殴り掛かってくる剣呑な奴等だと思っていたが、どうやら根は結構気さくな性格らしい。
最後のセリフともかく。
「………ん?」
「……ハ…ッ!!」
しかし、その和やかな挨拶も長くは続かなかった。
我に返ったサニーが、絶壁に追い詰められた犯人のような必死さで声を張り上げる。
「その子を渡せこのロリコンスーツゥゥゥッ!!!」
「誰がロリコンスーツだこのやろぉぉぉぅぅぅッ!!!
僕に近づくなぁぁッ!! この子がどうなってもいいってのかあぁぁッ!!!」
「そんなのどうせ師匠の玩具になるに決まってるからどうなったって構わないッ!!
いいから黙ってその子を渡せえぇぇぇッ!!!」
「うあわあぁあああぁぁぁぁぁあぁさにぃぃぃぃぃいいいさあぁぁぁぁぁんッ!!!」
光線が機械群を薙ぎ払い、引火して爆発炎上する。
荒れ狂う暴風を防ぐべく別の機器が引き抜かれ、盾にされたり、投げつけられたり。
「阿鼻叫喚です?」
再び暴れはじめた彼らに、レディボーンズの唇がひくっと引きつった。
「………貴方たち……」
怒りに染まった女の、怒りに満ちた絶叫がほとばしる。
「お仕置きをお望みのよぉねぇぇッ!!」
最初に出会った頃とは比べ物にならない量の力が、マナが、濁流となって更なる破壊を撒き散らす――。
「えっと…。…あの、どうしたらいいです?」
「……あー。俺たち、もしかしなくても完全に置いてけぼりかなぁ」
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ふらふらと漂う木片。
つれづれなるまま、
書き綴ってます。
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