歌を唄う猫の夢
定期更新ネットゲーム『Sicx Lives』の、 日記・雑記・メモ等が保管されていくのかもしれません。 昔は『False Island』のことを書いてました。
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天地をつなぐ大口径の砲撃が、我を忘れて傷つけあう変人どもを更なる混迷に陥れる。
機を失った者の腹部へ、首筋へ、鋭く剣柄を叩きつけて鮮やかに気絶させていく妖精騎士。
濁流の鞭を振るう女傑と刺し違えるが如く、召喚されし蠅王の絶叫が全てを大地へ叩き伏せた。
「…な、…なんな、の、よ……これ……」
褪せた意識を手放して、レディボーンズは端正な美貌を床へ醜く歪めた。
彼女をそっと抱き上げ、仰向けに眠らせてやるジェイ。
機を失った者の腹部へ、首筋へ、鋭く剣柄を叩きつけて鮮やかに気絶させていく妖精騎士。
濁流の鞭を振るう女傑と刺し違えるが如く、召喚されし蠅王の絶叫が全てを大地へ叩き伏せた。
「…な、…なんな、の、よ……これ……」
褪せた意識を手放して、レディボーンズは端正な美貌を床へ醜く歪めた。
彼女をそっと抱き上げ、仰向けに眠らせてやるジェイ。
「ったく、莫迦な争いしやがって]
あれほどの大乱戦であったのに、死者は1人も出ていない。
カリアの剣も血色に塗れることなく、泰然と浮かぶ妖精には凛とした強者の気配すら伺えた。
とはいえ、これは彼らの強さが導いた終局ではない。
敵対者達が、互いの仲間を見失うほどの乱戦に陥ったからこその結果であろう。
「わーい、お宝いっぱいですー」
準備運動は済ませたとばかりに、はりきって趣味の盗掘をはじめる天使。
呆れた溜息を送ったのち、ジェイは視線をサバスへ移す。
「ごきげんよう、女神様。私のことは純愛騎士サバスとでも呼んでくれるかな」
サバスは、黒服のニギア達が連れ去った白き娘をお姫様抱っこしながら、優雅に微笑んでいる。
ボクサーパンツ一枚の裸身で。
「なるほど、男性恐怖症というわけか。全く、よくある話だ」
少女は反応しない。意識ははっきりしているようだが、顔を背けたまま無言を貫く。
「おや、耳も聞こえないのかね。あれか、星の……なんだったか。まぁよくある話だ」
「………降ろして」
サバスのねっとりとした独り言にうんざりしたのか、少女はついに口を開く。
「断る。お目覚めご機嫌麗しゅう女神様」
最初からこの展開を目論んでいたのだろうか。裸体の変態は、愁眉を開いて語りかける。
だが、娘は感情を動かすこともなく淡々と告げた。
「………降ろして」
「断る。…ふむ、心は揃ってしまったようだな。
さぁ行こうか先へ。きっとあるんだろう? 女神様が本当の機能として働ける場所が」
彼らのやりとりを見つめながら、物思うカリア。
ジェイもまた、考える。この少女こそが、この島の制御装置の端末なのか。
「………降ろして」
「断る、ふとももが好きだ」
性別男性諸氏、特にマルクスがうんうんと頷く。
白き娘のむっちりしたふとももは肉感に満ちて艶めかしく、撫でてみたい衝動に駆られる。
「さぁ行こう。
あぁ、そこのファンも来るなら一緒に来たまえよ。せっかくの見世物だ、客は多い方が良かろう」
サバスは顎を軽くあげて振り返りながら告げた。
我々のことだと、ジェイは悟る。
見世物。観客。主人公でないのは理解していたが、この物語はどこへ行きつくのか。
破れたウェディングドレスを着て誘うように気絶する弟子を前に唸るサバスを横目に、メルトは少女を見た。
(似てるです?)
探し物の少女に。
髪色、瞳色、共に白と赤では全く異なる色彩であるのに、どこか。
「惑わされるな」
カリアが低い声で告げる。
「既視感を反射する魔法の鏡。望む者の姿を投影する仙境の器。
膨大なマナが、人姿に固定化されている……。
ソレは、そんな存在だ」
なるほど、そういう存在ならば得心もいく。
しかし神域に属する天使の認識すら狂わせるとは、どれほどの魔力を秘めているのか。
カリアが見抜けるのは、おそらく妖精界の住人だからだろう。妖精は、惑いのエキスパートでもある。
壊れた研究所を並木に見立て、順路を進む。
科学的なのか魔道的なのか、あるいは混合ハイブリッドなのかよくわからない。
超技術を駆使するレディ・ボーンズもまた、真っ当な人物と言えそうになかった。
一行が先に進むと、やがて、ガラス張りの大きな円筒が見えてくる。
一部が割れ、キラキラと輝く謎の液体が漏れ出ている。
「……ふむ、エキュオスの香りがするな。しかも芳醇なエキュオスだ」
「エキュオス?」
聞いた単語だ。ギルというベルクレアの隊長が、シズクリアスプリズムへ放った言葉。
確か、エキュオス蔓延るエルタ出身……と、続いていたか。
「濃度の高いマナを生み出す生き物のことだ。
マナを別の生き物が吸うと、別種の生命へ変貌を遂げる」
私の仕事は、それらマナに侵された生物の捕獲だ。
サバスはなぜか不機嫌に告げると、興味が失せた体で歩みを再開した。
メルトは感じていた。
エキュオスの放つマナが、彼女の内側にかけられた最後の錠を開こうとしていることを。
あれほどの大乱戦であったのに、死者は1人も出ていない。
カリアの剣も血色に塗れることなく、泰然と浮かぶ妖精には凛とした強者の気配すら伺えた。
とはいえ、これは彼らの強さが導いた終局ではない。
敵対者達が、互いの仲間を見失うほどの乱戦に陥ったからこその結果であろう。
「わーい、お宝いっぱいですー」
準備運動は済ませたとばかりに、はりきって趣味の盗掘をはじめる天使。
呆れた溜息を送ったのち、ジェイは視線をサバスへ移す。
「ごきげんよう、女神様。私のことは純愛騎士サバスとでも呼んでくれるかな」
サバスは、黒服のニギア達が連れ去った白き娘をお姫様抱っこしながら、優雅に微笑んでいる。
ボクサーパンツ一枚の裸身で。
「なるほど、男性恐怖症というわけか。全く、よくある話だ」
少女は反応しない。意識ははっきりしているようだが、顔を背けたまま無言を貫く。
「おや、耳も聞こえないのかね。あれか、星の……なんだったか。まぁよくある話だ」
「………降ろして」
サバスのねっとりとした独り言にうんざりしたのか、少女はついに口を開く。
「断る。お目覚めご機嫌麗しゅう女神様」
最初からこの展開を目論んでいたのだろうか。裸体の変態は、愁眉を開いて語りかける。
だが、娘は感情を動かすこともなく淡々と告げた。
「………降ろして」
「断る。…ふむ、心は揃ってしまったようだな。
さぁ行こうか先へ。きっとあるんだろう? 女神様が本当の機能として働ける場所が」
彼らのやりとりを見つめながら、物思うカリア。
ジェイもまた、考える。この少女こそが、この島の制御装置の端末なのか。
「………降ろして」
「断る、ふとももが好きだ」
性別男性諸氏、特にマルクスがうんうんと頷く。
白き娘のむっちりしたふとももは肉感に満ちて艶めかしく、撫でてみたい衝動に駆られる。
「さぁ行こう。
あぁ、そこのファンも来るなら一緒に来たまえよ。せっかくの見世物だ、客は多い方が良かろう」
サバスは顎を軽くあげて振り返りながら告げた。
我々のことだと、ジェイは悟る。
見世物。観客。主人公でないのは理解していたが、この物語はどこへ行きつくのか。
破れたウェディングドレスを着て誘うように気絶する弟子を前に唸るサバスを横目に、メルトは少女を見た。
(似てるです?)
探し物の少女に。
髪色、瞳色、共に白と赤では全く異なる色彩であるのに、どこか。
「惑わされるな」
カリアが低い声で告げる。
「既視感を反射する魔法の鏡。望む者の姿を投影する仙境の器。
膨大なマナが、人姿に固定化されている……。
ソレは、そんな存在だ」
なるほど、そういう存在ならば得心もいく。
しかし神域に属する天使の認識すら狂わせるとは、どれほどの魔力を秘めているのか。
カリアが見抜けるのは、おそらく妖精界の住人だからだろう。妖精は、惑いのエキスパートでもある。
壊れた研究所を並木に見立て、順路を進む。
科学的なのか魔道的なのか、あるいは混合ハイブリッドなのかよくわからない。
超技術を駆使するレディ・ボーンズもまた、真っ当な人物と言えそうになかった。
一行が先に進むと、やがて、ガラス張りの大きな円筒が見えてくる。
一部が割れ、キラキラと輝く謎の液体が漏れ出ている。
「……ふむ、エキュオスの香りがするな。しかも芳醇なエキュオスだ」
「エキュオス?」
聞いた単語だ。ギルというベルクレアの隊長が、シズクリアスプリズムへ放った言葉。
確か、エキュオス蔓延るエルタ出身……と、続いていたか。
「濃度の高いマナを生み出す生き物のことだ。
マナを別の生き物が吸うと、別種の生命へ変貌を遂げる」
私の仕事は、それらマナに侵された生物の捕獲だ。
サバスはなぜか不機嫌に告げると、興味が失せた体で歩みを再開した。
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つれづれなるまま、
書き綴ってます。
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