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歌を唄う猫の夢

定期更新ネットゲーム『Sicx Lives』の、 日記・雑記・メモ等が保管されていくのかもしれません。 昔は『False Island』のことを書いてました。

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[ Event of "Death Flag" that "ENo.1218 Moukinrui --" Presents ]


 それは、突然のこと。
 何が起きたのか、何が起こっているのか、把握している者は果たしていたのだろうか。

 一つだけわかっているのは、

「俺、宝玉を全部集めたら国に帰るんだ・……」

 人語を解するグリフォンが、最初の口火を切ったことだけ。 

「俺、この戦争が終わったら結婚するんだ」

 どこで戦争が起きているのか、誰も知らないままに呟く青年。

「儂を置いて先へ行け!」

 すたすたと歩いていく、知らない人の背中に向かって叫ぶ老人。

「なぁに、すぐ戻る」

 夫婦喧嘩で追い出された家に向かって、にやりと笑う男。

「なんだ、猫かよ。…脅かしやがって」

 忌々しそうに、誰もいない空間に話しかける怪しい少年。

「靴紐が切れた…。嫌な予感」

 ハイヒールを履いた美女が、空を見上げて呟いた。
 ふれあは目を丸くしながら、この奇妙な光景を眺めていた。
 まったく、わけがわからない。
 彼らは一体、何を思い、何のために、…いやそもそも、何をしているのだろう。

 道の真ん中で、きょろきょろと少女は立ち尽くす。
 ふと、傍らで同じく呆然と見ているはずの相棒の調子がおかしいことに気づいた。
 視線を横へずらすと、ワナワナと肩をふるわせている。

 声をかけようと、口を開く。
 が、伺いの言葉は彼の、アルワンの怒声にかき消された。

「貴様ら、なんにもわかっちゃいねェ!」

 ―――。え?

「死亡フラグってのは、もっとエレガントに立てるもんだ。この愚民どもが!」

 縫いぐるみの相棒までもが、理解不能の会話を展開しはじめた。

「シチュエーション、タイミング、何もかもバラバラじゃねぇか。それでも貴様ら一端の芸人か!?」

 どこに芸人がいるのだろう。
 ふれあはただ、ぽかーんと聞いているしかない。

「そこのヤンキー! 風になりたきゃ、もっとごつい違法改造バイクに乗りやがれ!」

 びしっと、指差し。

「そこのマルボウ! 拳銃を突きつけるなら覚悟なんて持つんじゃねェ。情けなく震えてろ!」

 ぎろっと、睨み。

「そこのマフィア! 前座はもっと自信たっぷりじゃねェとヤラレ役に物足りねェんだよ!」

 くあっと、噛み付き。

「そこの国家権力! 額が違ェんだよ。横領も依頼も、億単位をバラまいてのたれ死ね!」

 アルワンは、叫ぶ。
 心の底から。わきあがる衝動のまま、身の内に抱えた強い思いの丈を激昂する。

「このバカヤロウどもが! 祭りだと思って手を抜いてんじゃねェ! 死ぬ気で叫べ!」

 残響。
 遺跡外に木霊する、黒い一角兎のやるせない気持ち。

 抑え切れなかった。不甲斐ない騒ぎしか起こせない奴らに、一言いってやりたかった。
 死亡フラグを馬鹿にする奴らに、彼は教えてやりたかったのだ。

 本当の、フラグというものを。



 一方その頃。
 ふれあはトコトコと、歩いて距離を取っていた。
 無表情は雄弁に語る。私は無関係です。



「言いたいことはそれだけか?」



 ざわりと空気が揺れる。
 アルワンを中心に、民衆の黒い影が、二重、三重の円を作って取り囲む。

 ここでようやく彼は気づくのだ。
 祭りは楽しむべきもの。行数を使って語らずとも、スマートに呟けばよかったのだと。
 それなら一行で終わったのに。時間をかけてまで、何をやってしまったのかと。

 ――そう、これは。

 まさしく、自分の死亡フラグ祭だったのだ。

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つれづれなるまま、
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