2008/08/02 (Sat) 探索48日目-日記

[ Event of "Death Flag" that "ENo.1218 Moukinrui --" Presents ]


　それは、突然のこと。
　何が起きたのか、何が起こっているのか、把握している者は果たしていたのだろうか。

　一つだけわかっているのは、

「俺、宝玉を全部集めたら国に帰るんだ･……」

　人語を解するグリフォンが、最初の口火を切ったことだけ。　

「俺、この戦争が終わったら結婚するんだ」

　どこで戦争が起きているのか、誰も知らないままに呟く青年。

「儂を置いて先へ行け！」

　すたすたと歩いていく、知らない人の背中に向かって叫ぶ老人。

「なぁに、すぐ戻る」

　夫婦喧嘩で追い出された家に向かって、にやりと笑う男。

「なんだ、猫かよ。…脅かしやがって」

　忌々しそうに、誰もいない空間に話しかける怪しい少年。

「靴紐が切れた…。嫌な予感」

　ハイヒールを履いた美女が、空を見上げて呟いた。

2008/08/02 (Sat) 探索47日目-日記

[ Event of "False Island Marchen" that "ENo.494 Peach Chime" Presents ]

　赤茶けたレンガ壁が立ち並ぶ遺跡外の街路に、幾枚ものポスターが貼られていた。
　ビニールの買い物袋を頭上に構え、時速10㎞で疾走していた身長10㎝の少女が立ち止まる。
　

　　"童話・昔話・児童文学等のコス・仮装プチイベントを開催します！"


　桃色のツインテールを結んだ36歳の魔法少女が、可愛らしい笑顔でイベント紹介をしている。

　かすかに首を傾げ。
　少女はおもむろに飛び上がり、ポスターの一枚を剥がして持ち帰った。

2008/07/12 (Sat) 探索46日目-日記

[ Third person -NEXT Encounter- ]

　――勝負は一瞬で決まった。

　ふざけ半分に、もてあました力を無造作に行使するペリケペルカ。
　だが、制御されていない能力に付け入ることは、容易い。

2008/07/03 (Thu) 探索45日目-日記

[ Third person -NEXT Encounter- ]

　ころころと転がす。
　右へ、左へ。
　ほっぺたがひっぱられて形を変える。ぐにっ、ぐにっと。

　口内で異物が暴れる感覚が、とても心地いい。

2008/06/18 (Wed) 探索44日目-日記

[ -Recollection- ]

　――お前にだけは見せてあげようね。

　秘密の共有は誘いの水
　つまらないゲームにスリルを与える一滴

　嗚呼、
　神の威厳に堕落を刻むは、なんと心躍る戯れだろうか！